事例紹介

case study

岐阜県 笠松町 様

コミュニティバスのDX化を短期間で実現!

バス位置情報と混雑状況をリアルタイムに提供し
利用者の利便性を向上  
乗降数カウント業務も自動化しドライバーの負担とランニングコストを大幅に削減!

笠松町バスロケシステム
岐阜県羽島郡笠松町(以下、笠松町)では、渋滞発生時など「公共施設巡回町民バス」の運行が大幅に遅延した際に、利用者からの問い合わせがあってもバスの現在位置を正確に把握できないことが大きな悩みでした。そこで、ユニ・トランドの「バスロケーションシステム」とユニリタの「MANALYZE(運行状況調査レポートサービス)」を導入。バス利用者が誰でもバス停に掲示しているQRコードでバスロケーション情報を可視化できるようになるとともに、これまでドライバーが担っていた乗降数カウントも自動化して負担を軽減しました。今後は蓄積されたデータを活用して、運行ダイヤの見直しや、公共交通の利用促進をさらに図っていく考えです。
▶▶POINT
  • Webサイトとスマホからバスロケーションに関する各種情報をリアルタイムに可視化
  • 乗降数の自動カウント機能によりドライバーの負担を大幅に削減
  • タブレット活用型のシステムよりもランニングコストを10分の1に抑制
■導入前の課題
渋滞による遅延発生時にバスのロケーションを
正確に把握できないことが課題

―― 笠松町が運営されている公共施設巡回町民バスの概要と利用状況についてお聞かせください。

笠松町 企画課 吉田 裕氏(以下、吉田氏):公共施設巡回町民バスは、公共施設や病院、駅などへの交通利便性を高め、行政サービスの充実を図るために、下門間と米野高瀬を発着点に町内を巡回しているコミュニティバスです。1986年から運行を開始し、現在は1時間に1運行という分かりやすい時刻表で運営しており、1人100円の乗車料金で始発から終点までご利用いただけるなど、町民の皆さまに大変親しまれております。利用状況としては、前年度は年間延べ約7.9万人が利用しており、高齢者の多い笠松町にとっては、移動手段の一つとして、町民が便利で快適に暮らせるように、公共交通を確保してきました。

―― 地域公共交通におけるこれまでの課題や問題点についてお聞かせください。

吉田氏:笠松町は面積が県内で3番目に小さい町ですが、人口密度は高く、町民の多くが自家用車を所有していることから、朝夕の通勤時間帯は主要道路及び名鉄笠松駅周辺で慢性的な渋滞が発生しております。特に、悪天候や事故発生などの影響が混雑時間帯に重なると、公共施設巡回町民バスも大幅に遅延し、時には数十分~1時間以上遅れることもありました。そうした時は、利用者から町役場に問い合わせの電話を多くお寄せいただくのですが、公共施設巡回町民バスを
管理している私たち企画課でもバスの現在位置を把握できておらず、明確にお答えできないことが大きな悩みだったのです。役場の支所などを巡回するバスなので、各施設に電話で問い合わせればバスが通過したか否か、おおよその状況は
把握できます。しかし、問い合わせ可能な施設は全バス停39箇所のうち3~4ヵ所に限られるため、バスがどのバス停に何時・何分に到着する見込みなのか正確に知ることは困難です。

笠松町 企画課 主査 佐藤 純平氏(以下、佐藤氏)
:更に、バスの乗降数をカウントする作業も大きな負担となっており、その改善も喫緊の課題でした。公共施設巡回町民バスは町民の税金で運営されているため、常に利用状況を正確に把握する義務があります。そのため、これまでは運転手が各バス停で乗客の乗降数をカウントし、帳票に手書きで記録していましたが、集中を必要とする運転業務と並行作業となるため、運転手の負担を軽減させる方法を模索しておりました。

■選定の決め手
バスロケーション把握と乗降カウントが同時実現でき
短期導入可能なユニ・トランド

―― それら2つの課題を解決するため、どのような手段を検討されたのでしょうか。

吉田氏
:バスロケーションシステムと連動して乗降カウントも行うシステムが存在することは知っていました。
複数のソリューションを調べると、情報を収集する方法として最も多かったものはタブレットを活用するシステムです。運転手の中には高齢のものも多く、今後システムを導入し、スマートデバイスを使ったことのない運転手にタブレットの操作方法を初歩からマスターしてもらうのは大きな負担をかけるのではないかと考えました。
落下や振動による故障、紛失、充電の手間、バスへの持ち込み忘れなども不安材料でした。また、ハードウェアの寿命も考慮しなければなりません。端末が明らかに壊れれば判断もしやすいのですが、不調などで正確な乗降カウントができなかった場合、責任の所在が不透明になることも懸念されました。

―― ユニ・トランドのバスロケーションシステムを選定した決め手や、
注目した技術・手法などについてお聞かせください。

吉田氏:ユニ・トランドのシステムは、バスのロケーション情報の他に、乗降数のカウントも同時に収集できると聞き、他の製品よりも特に注目していました。GPS車載器と乗降カウントセンサーをバス車内に設置するだけのシンプルさも
大きなメリットでした。バスのエンジンを始動して行き先を指定すれば、行き先の音声案内が切り替わると同時にバスの位置や日々の運行情報がクラウドに連携され、乗客の乗降数も自動でカウントしてくれるのでタブレットも不要です。
運転手に負担をかけない運用が可能になると感じました。

佐藤氏:機能のユニークさはもちろんですが、他の自治体での導入が進んでいることや、短期間での導入が可能なことも選定の決め手となりました。いつ大幅な遅延が発生するか予測できない中、町民へのサービス向上の一環として導入するなら2022年度中に実装を終え、2023年度初めから稼働開始を目指すべきだと考えたのです。
無理を承知でユニ・トランドに問い合わせたところ、2023年2月~3月の1.5ヵ月という短期間でバス4台全てに導入完了できる旨の快諾をいただきました。

笠松町120周年記念事業の一環として誕生したマスコットキャラクター「かさまるくんとかさまるちゃん」
■導入後の効果
スマホからバスロケーションを可視化でき
利用者の利便性が大幅に向上

―― 2023年4月1日に稼働開始されたのでまだ日が浅いのですが、バスロケーションシステムの導入効果について、
期待感も含めてお聞かせください。

吉田氏:大きく3つ挙げられます。1つ目は、前述した2つの課題の改善です。Webサイトからバスロケーションを可視化するのみならず、各バス停にQRコードを表示することで、スマホからでもバス停ごとの時刻表やバスの現在地、混雑度などの各種情報をリアルタイムに得られるようになりました。利用者にとっては、乗りたいバスが今どこの位置を走行しているのかが分かるだけでも利便性が大きく向上したと感じてもらえるでしょう。同時に車内の混み具合も表示されるので、妊娠中の方や高齢者にとっても安心です。
今後事故や天候不順などで大幅な遅延が発生しても、スマホで情報が入手できるようになったため、町役場への問い合わせ件数は格段に減少すると予想しています。問い合わせに対応していた担当者も通常の業務に専念できるので、業務効率も大幅に改善されると思います。また、乗降数を自動カウントすることによって、バスの運転手が手書きで記録する運用を廃止することができました。バス運行会社からは感謝の言葉もいただいています。

2つ目は、安心してプロジェクトが完遂できたことです。ユニ・トランドは地域公共交通網に関する専門的知見を豊富に備えているので、事前評価の段階から利用実態を定量的に把握した上で的確な改善提案をしていただけました。
また、公共施設巡回町民バス内の各種ワンマン機器と連動する音声合成放送装置の導入と管理を行っているのが
東海クラリオン株式会社なのですが、バスロケーションシステムをセットアップするためにユニ・トランドが導入パートナーとしてアサインしてくれたのも東海クラリオンさんでした。笠松町と取引実績があり、バスの構造を熟知されている東海クラリオンさんに担当していただいたことは大きな安心材料でした。

3つ目は、コスト削減です。ユニ・トランドと同様の機能を持ったタブレット活用型バスロケーションシステムと比較した場合、月額の利用料金はユニ・トランドの方が10分の1ほどに抑えられたので、ランニングコストは大幅に削減できたのではないかと感じています。

笠松町のバスロケーションシステム QRコードの利用方法

  • QRコードを読み取る
  • 乗車するバス停をタッチ
  • 表示したい項目をタッチ
  • マップやバス停一覧でバスの現在位置がわかります
■今後の見通し
蓄積したデータを専門家が分析し
持続的な地域交通網再構築の最適解を探る

―― 今後のバスロケーションシステムの運用計画や取り組むべきテーマについてお聞かせください。

吉田氏:公共施設巡回町民バスは運行ダイヤの見直しを行う時期に来ており、このバスロケーションシステムが大いに役立つと考えています。これまでのダイヤ改定に向けた調査では、職員がバスに同乗して遅延時間を計測するなど、
アナログ的なデータ収集を行っていました。現在はバス停ごとの発着時間が秒単位で収集されるので、時間帯や天候によってどの程度遅延が発生するのかなど傾向を紐解けば、より正確なデータに基づいたダイヤ改定が実施できると期待しています。

また、バスロケーションシステムで収集されたデータは、BIツールの「MANALYZE」によって可視化され、様々な切り口から日々の運行情報をきめ細かに確認できるようになりました。
今後はMANALYZEに蓄積されたデータを活かした持続的な地域交通網のあり方を探っていく考えです。


―― 最後に今回のプロジェクトを振り返り、ユニ・トランドの総合的な評価や、
今後期待されることなどについてお聞かせください。

佐藤氏:バスロケーションの把握と運転手の負担軽減の2つを同時に解決してくれた上に、非常に短期間での導入を実現してくれたユニ・トランドの技術力・サポート力を高く評価しています。今後、バスロケーションシステムの利便性を町民の方々に知っていただき、もっと日常的にお使いいただくためには、行政がいかにアピールするかだと思っています。

ユニ・トランドには、そうした広報や啓発へのアイデアや、公共交通機関のDX化に関する最新情報などを、今後も
継続的に提供いただきたいと思っています。