導入事例紹介

case study

三重県東員町様

ネットによる見える化でコミュニティバスの利便性を向上

三重県東員町は2018年4月より、コミュニティバス「オレンジバス」を便利に利用してもらうため、スマートフォンアプリの提供を開始しました。アプリによる目的地までの乗り方検索や、リアルタイムでのバスの位置情報を提供することで、インターネットを通じたバスの見える化を実現し、バスの利用者ならびにバス事業者の利便性の向上を図りました。
▶▶▶POINT
  • 路線を分けて運行するも、 ルート・ダイヤが複雑で分かりにくい
  • 利用者および事業者に向けたバスの見える化
  • ネットの利用で向上した利便性

東員町は、オレンジバスの利便性向上、利用者の増加、ルート・ダイヤ改善のための基礎的データを収集を目的とし、株式会社ユニ・トランドが提供するバス路線検索、ロケーションシステム、乗降センサーシステムを導入しました。利用者はスマートフォン、タブレット、パソコンからバスの目的地を検索することができ、バスの運行状況をリアルタイムで確認することができます。事業者は乗降センサーにより、各路線やバス停ごとの乗降者数を数値で把握することができます。

■路線を分けて運行するも、ルート・ダイヤが複雑で分かりにくい

オレンジバスは、朝夕は通学・通勤利用に、昼は通院や買物利用者が多く、時間帯により利用目的が異なるため「朝夕便」「昼便」で路線を分けて運行しています。しかし利用者や地域の人々からのヒアリングによると「ルート・ダイヤが良くわからない」「時刻表が使いづらい」「行先がわからない」など、利用に不便や不満を感じていることが判明しました。このことから必要なバスを分かりやすく伝えることの必要性を認識し、インターネットを通じたバスの見える化実現のためのシステム導入に踏み切りました。

■利用者および事業者に向けたバスの見える化

東員町はバス利用者に3つのアプリを提供しています。バ ス路線検索サービス「MOKUIK(もくいく)」は、地理やバス停名をしらない来訪者が安心してバスに乗り目的地への到達を支援します。バスロケーションシステム「PINA(ピナ)」はバスの現在地や遅延の状況を確認することができます。主な利用者である高齢者向けに、シンプルな機能に絞った簡易版の「楽PINA」を提供しています。事業者向けには、バス本体に設置した乗降センサーシステムにより、各路線やバス停ごとの乗降者数などのデータを提供しており、ニーズのある停留所の把握や人気路線の車両買い替え検討などに役立てることができます。

■ネットの利用で向上した利便性

インターネットを利用したシステムの導入により、従来の紙の時刻表では情報量が多すぎて対応できなかった利用者 1人ひとりの目的に合う最適なバス情報を提供できるようになりました。また遅延情報の連絡が迅速かつ容易となり、大幅な遅延があっても利用者自身がバスの運行状況を確認することができるようになりました。システム導入後、バス利用者からは便利になったと喜びの声があがっています。

■さらなる利用につなげるための今後の取り組み

より多くの地域の方に利用していただくためには、このシステム導入による便利さをPRするとともに、使い方を広めていく必要があります。オレンジバスの主な利用者でありスマートフォンの保持率が高くない高齢者にインターネットやスマートフォンに馴染んでいただくために、町内で営業する携帯ショップに協力を仰いだり、町内のシニアクラブを訪問しPR活動を行う施策を実行中です。