事例紹介

case study

北海道夕張市 様

ネットと交通の新しいカタチ
予約制スクールバス(オンデマンドバス)でコスト削減

夕張市は2017年11月より、中学生と高校生向けのスクールバスの一部で、スマートフォンやタブレットを利用した予約制のスクールバス運行を導入しました。この制度の導入により、バス事業者、利用する生徒および保護者の利便性が向上し、これまでのスクールバスの運行委託費を年間136万円も削減することが可能となりました。
▶▶▶POINT
  • 利用者数の予測がつかず 嵩んでいた運営コスト
  • 利用人数に合わせ車両を使い分けて 効率的に運行
  • 導入前と比べ運行コストが 年間136万円も削減

 夕張市が導入したのは、株式会社ユニ・トランドが提供するクラウドサービスで、オンデマンドバス予約と車両の位置情報発信により、利用者の乗降場所と乗降人数の正確な把握が可能となっています。利用者はスマートフォンやタブレットから簡単に予約システムを使うことができ、事業者はバス車両にタブレットを持ち込むことにより、位置情報提供サービスと連携してバスの現在地を発信し、停留所ごとの乗車・降車人数を知ることができます。

■利用者数の予測がつかず嵩んでいた運営コスト

 夕張市ではタクシー事業者2社に委託し、スクールバスを運行していますが、平日の部活動終了後運行便(部活便)と休日便については、乗車人数が部活動日程の変更や保護者の送迎などの要因により予測ができないことから、人数に適し
た車両の使い分けができずに必要以上に大型の車両で運行したり、運行したものの乗車がないこと等が度々発生し、運営コストが嵩んでいる状況でした。

■利用人数に合わせ車両を使い分けて効率的に運行

 部活便と休日便は利用者の増減が大きく、利用者がゼロの場合もあります。夕張市が導入した「(通称)ピコピコシステム」を利用して生徒たちがスマートフォンやタブレットから予約をすることで、バス事業者は予約に応じてスクールバス(45人程度)、マイクロバス(25人)、ワゴン(9人)、タクシー(4人)を使い分けて運行します。運行委託費は車両が大きいほど高額になりますが、利用者人数に合わせた適切な車両で運行することにより経費削減ができる上、人手不足が深刻な運転手の負担軽減にもつながります。

■導入前と比べ運行コストが年間136万円も削減

 導入後の数ヶ月間は慣れない予約システムによる入力の誤りもあり、適切な車両運行とならない場合もありましたが、システムも改善され、現在では部活便は1日に約30人、休日便は約20人の利用があります。生徒たちの間でも「ピコる」という略称で予約システムが定着しました。導入前と比べると運行便は40便減り、運営委託費は年間136万円もの削減となっています。削減分を活用して部活便を1便増便し、生徒たちの利便性向上を図りました。

■利用生徒や家族の安心へつながる運行システム

このシステムの開発には、夕張高校の生徒たちのアイデアが活用されています。システムによりスクールバスの運転手が「どの生徒が、どこで乗る、どこで降りる」を把握することで、乗車する生徒や保護者をはじめとした地域の安心向上にもつながっているほか、ネットを使用した予約という「ひと手間」を通じて、利用者の立場から地域交通を守っていくという意識の醸成にもつながっています。

  • ▲北海道新聞に掲載されました(2018/12/22付)