バス利用者への利便性向上の実現および
バスの運行データと乗降データの収集と可視化に基づき
持続可能な交通網のあり方を検討するためのシステムを東近江市が採用

2023.01.26

 株式会社ユニリタ(本社:東京都港区、代表取締役 社長執行役員:北野 裕行、東証スタンダード市場:3800、以下 ユニリタ)とグループ会社で移動体通信IoTサービスを手掛ける、株式会社ユニ・トランド(本社:東京都港区、代表取締役社長:高野 元、以下 ユニ・トランド)は、東近江市より、同市が運営するコミュニティバスにおいて、バスロケーションシステムおよび乗降客データの収集・可視化システム(以下 本システム)を受注・実施しました。
 本システムは、コミュニティバスの運行状況について、利用者側からは検索およびバスの位置情報と混雑情報を発信するバスロケーションシステムによる利便性向上を、運行者側からはリアルタイムに近い状態でバス乗降客数を収集し正確な利用実態を把握することで、今後の持続可能な交通網のあり方について検討の基礎データとすることを目的として採用いただいたものです。

【本システムイメージ図】

 本システムの内容は、コミュニティバス車内に設置された専用車載器および乗降カメラセンサーからの各種データを系統情報と紐づけクラウドに随時送信し、そのデータをもとにユニリタの「MANALYZE(マナライズ)※1」によるデータ可視化を行います。

 本システムを通じ、路線・便・バス停ごとの乗降数および遅延データの可視化分析が可能になるため、今まで勘と経験に頼っていた路線再編やダイヤ改定を効果的、効率的に行うことが可能となります。
またGTFSリアルタイム※2を作成し、Google Mapで東近江市のコミュニティバスの検索を可能とするとともにバスの現在地や混雑状況も可視化しました。これにより地域住民はもちろん、国内観光客のバスの利用促進だけでなく外国人観光客のバスの利用促進可能になります。

 今、バス業界ではMaaS、自動運転などの最新のテクノロジーをいかに事業に活用していくかが大きなテーマとなっています。しかし、最新テクノロジーを効果的に事業に活用するためには、その前準備として、地元住民や観光客のために効果的なバス運行ダイヤ編成となっているか否かという検証や、路線が周辺施設の情報を考慮して利用したい路線になっているかなどの現状把握が重要なポイントになってきます。またこの考え方は、国土交通省が発表したリ・デザイン構想※3の取り組みにおいても重要になるものと考えます。
 本システムでは、上記のような前準備としての現状把握、着手の手順、保有するデータの活用方法などについての課題を抱えている自治体、バス事業者に対し、その解決策をデータに基づき提示するものです。

 ユニリタおよびユニ・トランドが提供するサービスは、データ取得システム機器の提供からデータ蓄積と可視化、解析、課題抽出までをワンストップで行えることが大きな特徴です。ユニリタのデータサイエンティストが本システムで取得したデータと人口分布などのオープンデータを組み合わせながら、コミュニティバスの利用状況及び課題整理、そして利用者が少ない路線や停留所の利用状況から考えられる要因を分析し、再編を行った際に想定される課題等について整理するMA-P(データ解析サービス)オプションも用意しており、ワンストップだからこそコストと提供価格を抑えることができるので、今までこのようなサービスを利用できなかった中小バス会社や自治体にも採用いただくことが可能です。

以 上

【参考:サービス概要】
 バス車内に車載器と乗降カメラセンサーを設置。音声合成装置と連携し、運転手や運行管理者の手間を一切かけずバスの遅延データおよび各バス停での乗降数をカウント。さらにそれ等のデータを可視化、ダウンロードできるMANALYZEを利用しデータ分析し、課題抽出を行う。

  • ※1:「MANALYZE(マナライズ)」とは下記2つの機能を有したユニリタのサービスです。
    ・地図インターフェイスによる乗降数の可視化
    ・乗降数のサマリーレポート出力(Excel)
  • ※2:GTFSリアルタイムとは公共交通のリアルタイム情報を格納するためのフォーマット。GTFSリアルタイムデータは単独では機能せず、GTFS(-JP)データと併せて利⽤します。
    このデータを作成することでGoogle Mapで検索可能になりバスの現在地や混雑情報も見ることができるようになります。
  • ※3:国土交通省では、本年3月に「アフターコロナに向けた地域交通の「リ・デザイン」有識者検討会」を設置し、近年急速に進展するデジタル技術等の実装を進めつつ、①官と民で、②交通事業者間で、③他分野とも、「共創」を推進し、地域交通を持続可能な形で「リ・デザイン」(再構築)するための具体的方策を検討し、本年8月に提言を取りまとめました。